不安障碍

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我が国の不安症は12ヶ月有病率で5.5%、障碍有病率は9.2%とされている.生涯有病率のうち、特定の恐怖症が3.4%、全般性不安症が1.8%、心的外傷ストレス生涯(PTSD)が1.4%、パニック障碍が0.8%であった.不安症では複数の障碍が併存することが多く、パニック症ではおよそ半数にうつ病が併存し、その他の不安障碍とも併存する.

不安症は心因が中心ではなく、身体的な要因が関与していることが考えられている.パニック障碍では大脳辺縁系(特に扁桃体)の機能異常があり、恐怖が火災報知器の誤報のように誤作動しやすいと想定されている.パニック障碍は繰り返される予期しないパニック発作を特徴とし、しばしば広場恐怖症ないし、これに準じる回避行動をきたす.女性経過(増悪寛解の繰り返し)を呈する.パニック発作は激しい恐怖または強烈な不快感が突然生じ、数分以内にピークに達するものであり、障碍に2-6%の人が経験する.これが2回繰り返されると、また起こるのではないか、という不安(予期不安)や、外出や公共交通機関利用の回避(広場恐怖)などが1ヶ月以上継続している場合にパニック障碍と診断される.選択的セロトニン再取り込み阻害薬と長時間型抗不安薬を中心した薬物療法と、認知行動療法の組み合わせが標準的である.

全般性不安性障碍は、慢性の生活全般にわたる不安や心配があり、苦痛と生活機能の障碍をきたしている場合に診断される.パニック障碍と同様の治療が標準的である.

社交不安障碍は家族研究から、直接血縁者の発症率が4-5倍、一卵性双生児での一致率30-40%で遺伝的要因があり、扁桃体の過敏反応が見られるなど、生物学的要因のある病態が想定されている.Liebowitz社交不安尺度(LSAS)で症状評価が可能である.パニック症と同様、薬物療法と認知行動療法(暴露療法)が標準治療である.Anxiety Disorder.

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投稿者:

吾郎

2020年6月にブログ開設.生き延びるための様々な問題を精神病理学に基づいて取り扱っています!ぜひぜひ気軽に遊びに来て下さいね.Our articles include essay, translation, study about literature, psychiatry(psychopathology), humanities.