システム論的アプローチ

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20世紀に発展した多くの心理療法は、「問題や症状を呈している個人」を素朴に援助対象とみなす前提に立つ.しかし、観察の視野を「問題や症状を呈している個人」から、その個人の生活環境へと拡張すると、家族や職場など、その個人が所属しているシステムにおいて、その個人の問題や症状は何らかの意味のある機能を果たしていることが観察される.

システム論的アプローチでは、こうした観察に基づき、援助対象を「問題や症状を呈している個人」ではなくシステムだと考える.システムに問題があれば、システムを構成する個人のあり方にも変化が生じれば、システムを構成する個人にも変化が生じ、「問題や症状」が変化したり、「問題や症状」自体はそのままでも、その意味が変化したりすると考える.

代表的なシステム論アプローチには、システムズ・アプローチ、解決志向アプローチ、ブリーフ・セラピーがある.こうした技法の多くは、構成主義の認識論に立脚しており、「カクカクシカジカが原因である」「これこれが問題である」などといった、当事者にとって紛れもない現実と見えているものも、あくまで当事者たちにとって構成されたものだとみなす.面接では、会話によってこうした現実を構成しなおし、安心感や希望が感じられる新しい現実を構成することを目標にする.特徴的な技法に、ジョイニング(Joining)とリフレーミング(Reframing)が挙げられる.ジョイニングは、そのシステムにおいて現実とされているものや.そのシステムにおけるコミュニケーションの規則を受け入れ、システムに溶け込む技術である.ジョイニングによってセラピストはシステムの一部になると、システムに変化を及ぼす素地となる.リフレーミングとは、クライエントにとっての現実を少し違った視点から見てみることにより、現実構成を変化させる技術といえる.Systemic Psychotherapy.

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投稿者:

吾郎

2020年6月にブログ開設.生き延びるための様々な問題を精神病理学に基づいて取り扱っています!ぜひぜひ気軽に遊びに来て下さいね.Our articles include essay, translation, study about literature, psychiatry(psychopathology), humanities.