心の理論

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心の理論を定義したプリマック(Premack)とウッドラフ(Woodruff)によると、それは「自分自身や他者に心を帰属させるときに各人がもつもの」とされている.すなわち、人が他者の心を読む際に前提となっている枠組みである.プリマックの基本的な考えは以下の通りである.

  1. 他者の心は直接観察することはできない.
  2. それ故「推論」が発動される.
  3. その推論に基づいて、行動を予測する.

この心の理論は広汎性発達障害(ASD)を理解する仮説として、遂行機能障碍(Executive Dysfunction)や弱い中枢統合(Weak central coherence)など並んで、最も有力な仮説の一つである.マインド・ブラインドネス(Mind-Blindeness)あるいはメンタライジング(心理化:Mentalizing)の障碍などとも呼ばれる.

心の理論は、もともとはチンパンジーに心があるかどうかという問いから発したものであるが、1980年代にバロン=コーエン(Baron-Cohen)らによるロンドン大学の研究グループが臨床的応用を研究し、自閉症の障碍仮説へ展開した.なお、「心の理論」仮説は様々な批判にさらされつつも主要な基本障碍仮説としての地位を保っている.なお.心の理論の障碍を最も明瞭に示す検査が、「サリー・アン問題:Sally-Anne Experiment」であるとされる.ただし議論の余地は残されている.

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投稿者:

吾郎

2020年6月にブログ開設.生き延びるための様々な問題を精神病理学に基づいて取り扱っています!ぜひぜひ気軽に遊びに来て下さいね.Our articles include essay, translation, study about literature, psychiatry(psychopathology), humanities.